台湾研修3

投稿者: | 2018年12月14日

3日目の朝、3時30分、台北の新市街地にある台北花市を、訪ねました。コストコや、カルフール、ユニクロなど大型ショッピング街の中にある台北一帯(1000万人)の花市場ということで、施設も新しく花の消費者を直接意識した市場と思いました。

台湾最大の総合花き卸売市場で、取引量、取引額は台湾の50パーセント、256件の花や園芸用品の露店があるそうです。台湾全体では、5つの市場が整備されているそうです。

台湾の輸出鉢物は、胡蝶蘭が第一位、切り花では、オンシジュームが一番、その次は、トルコ桔梗、3番は、アンスリューム、また、レナンセラ、パンダなどやはり、ランが輸出の中心を占めているようでした。

係りの方が出てこられて市場の説明、仲卸街、日持ち試験室を案内してもらいました。それぞれの店の特徴を出しながら店頭を飾っています。日本と違って、カラフルな染物が多く感じました。道教が仏教より盛んとのことで葬儀の方法や雰囲気が違うようです。

菊を中心に見てみましたが、マレーシアからディスバット(一輪菊)が、ベトナムからスプレーギクが主に輸入されているそうです。品質は高く、日本の市場で見るものと変わりません。菊が国際商品で、世界中を駆け回っていることがわかります。まず目につくのは、染の菊が圧倒的に多いことです。葬儀で白菊を多用する日本と違い、カラフルな染の菊が中心でした。白中心の一輪菊が中心の日本の需要が特殊なのかもしれません。花のディスプレーと考えた場合は、こういう菊の使い方が中心なのかもしれません。日本でも、今以上に菊の需要を開拓するうえで参考になるように思いました。

値段的には、日本での相場とあまり変わらない感じでしたが、輸入中心の品目が多く目につきました。

こちらで、日持ちの試験をしています。日本より、温度の高い台湾では特に重要になるかと思われます。菊類、トルコ桔梗などが多く試験されていました。ここでも、染の菊が幅を利かせています。

こちらは、ベトナムからのスプレーマム(サンティニ)、日本に輸入されているものと同じです。

市場のバックヤードは日本と変わらないようです。ただ、日本と違い農協のような組織がないため、地元の生産者は、自分たちのグループで運送業者を頼んで市場に送っているとのことでした(菊の生産者談)。かなり、品質に差があるように感じました。

その後、会場を会議室に移して、市場の責任者の説明を受けることができました。陳副所長をはじめ、市場幹部、通訳、そして、花卸組合の役員に朝早くからおいでいただき市場、そして台湾の花事情をうかがうことができました。

2017年度台北市場での、切り花の売り上げ順位(金額ベース)は、1位、ゆり(30%) 2位 バラ(8%) 3位 スプレーマム(6%) 4位 大菊(6%) 5位 トルコ桔梗(6%) 6位 ガーベラ(3%) 7位 グラジオラス(2%) 8位 アンスリューム(2%) 9位 カーネーション(2%) 10位 オンシジューム(2%) その他(33%)とのことでした。

単価は、ゆり152元 バラ124元 スプレーマム65元 大菊 89元 トルコ桔梗142元 ガーベラ54元 グラジオラス 72元 カーネーション59元となっているそうです。

因みに、1台湾元は、現在3.68 円とのことです。

 菊の需要期としては、春節、清明節、中元節 (2月、4月、7月)が中心で、やはり、先祖の供養や、新年のお祝いなどの場面での需要が中心のようです。

夏の時期では、7月が菊の需要期になっているようでした。

オークション会場の様子です。日本のものと変わりません。右のサイドに大きな液晶画面があり、品種の紹介が行われているようでした。

この後、ホテルに戻り、朝食をとり、日本へ向かうこととなります。

2泊3日の研修を終了しました。