台風21号の被害が広がっています。被害にあわれた方に、心からお見舞いを申し上げます。
当地は、暴風雨圏にかかるかかからないかというところで、本当に心配しましたが、どうやら、最小の被害で済んだようです。
台風というと思い出される台風があります。昭和57年8月1日に起こった台風10号の被害です。やはり、あっという間にやってきて、壊滅的な被害を当地に与えた台風でした。900ミリバールまで発達した台風でしたが上陸した時点では970ミリバールと衰えた状態で愛知県の渥美半島に上陸し、富山湾に抜けていった台風でした。その時点では、暴風雨圏もありませんでした。毎年来る台風の中で取り立てて大きなものでもなく、日本全体では問題とならない台風だったかと思われましたが、
私の記憶にある中では、最も、被害のあった台風でした。特に、群馬県の西部の山間地が被害が大きかったのです。ビニールハウスはまだ珍しかった時代ですが、屋根のビニールはすべて飛ばされ、野菜など外で栽培されているもので立っているものがありませんでした。作業場の屋根が飛ばされ、そのトタンがものすごい勢いで回転しながら飛んでいくのを見たとき、外へは出られないと思ったものでした。伊勢湾台風以来の強さだと年寄りが言っているのを耳にした覚えがあります。どんなコースをたどった台風だったのかというと
愛知から、富山湾に抜けるコースをたどっています。8月1日の夜半からものすごい暴風雨になり、朝にはすべて倒されているという状況でした。関東平野から吹き上げられた風が、東西に向いた当地を集まって通り過ぎていったために起こった強風でした。山には、強風の通った場所が筋となって秋まで残っていた覚えがあります。峠の高さで風が通り過ぎたために、そこに強風の爪痕が残されたのでした。その山の向こう側では、杉が大量に倒伏していました。以来、毎年の台風に気をもんでいますがこの台風のコースが、当地に最も危険なコースの台風であると思っています。